はじめまして。ドクター補助金メンバーの「えぬ」と申します。私は建設業や美容業のお客さまを中心に、全国の事業者さまの補助金申請をサポートしています。今回は「補助金の本当の目的」についてお話ししたいと思います。
補助金というと「設備を買うときに少しでも安くなる制度」くらいに思われている方も多いですが、実際はそう単純ではありません。補助金は、国が掲げる施策テーマに沿って設計されている制度なんです。つまり、国が「こういう方向に経済や社会を動かしたい」と考え、そのためにお金を投じているのが補助金です。
◇◆◇補助金の目的は国の施策テーマ◇◆◇
補助金の目的は、必ず国の政策と結びついています。たとえば、
・環境社会(脱炭素や省エネへの対応)
・エネルギー資源(再生可能エネルギーや蓄電池導入)
・人手不足対策(自動化・省力化設備)
・生産性向上(DX推進や業務効率化)
・賃上げ(従業員待遇改善を促す加点制度)
・地域活性化(観光や地場産業の強化)
・売上拡大(販路開拓や新商品開発)
・新市場開拓(海外進出や新分野への挑戦)
こういったテーマごとに「この方向へ進んでほしい」という国の意図が明確に設定されています。そして、補助金の公募要領には必ず「この補助金の目的」が書かれているんです。
◇◆◇よくある誤解と不採択の典型例◇◆◇
ご相談を受けていると、よくあるのが「機械が古くなったから、新しいものを補助金で買いたい」というケースです。でも、これは残念ながら不採択になることがほとんど。なぜなら、「ただ新しくしたいだけ」では補助金の目的に沿っていないからです。
補助金が求めているのは、新しい設備や仕組みを導入することで、新しい価値や市場を生むことです。例えば、封筒専用の機械を入れ替えるだけではなく、新しい機械を導入することで、今まで封筒しか作れなかったのがポチ袋やレントゲン袋も作れるようになり、病院や雑貨店など新しい販路を開拓できる。こういう形で事業の広がりが説明できれば、補助金の趣旨に合うのです。
◇◆◇補助金で認められない経費もある◇◆◇
補助金は何でも対象になるわけではありません。特に「汎用性が高すぎるもの」は基本的に認められません。例えば、
・車(ただの営業車や運搬用車両)
・パソコンやタブレット(どんな業種でも使えるため)
・コピー機や複合機
・一般的なオフィスソフトなどの汎用ソフト
これらはたとえ「うちの事業専用で使う」と主張しても、制度上対象外です。補助金のルールには「汎用性の高い経費は不可」と明記されているので、ここは注意が必要です。
補助金を正しく使えば経営の武器になります。
誤解しないでいただきたいのは、「補助金は使いにくい」ということではありません。むしろ正しく理解して活用すれば、事業を大きく前に進める強力な武器になります。
建設業であれば、省力化投資補助金を活用して自動化機械を導入することで人手不足を解消できます。美容業であれば、小規模事業者持続化補助金を使って新しい販路開拓やECサイト構築に挑戦できます。つまり、補助金は事業の方向性と国の施策がマッチすれば、非常に大きな追い風になるのです。
◇◆◇うまく補助金を活用するために◇◆◇
補助金は「欲しいからもらう」ものではありません。国が描く社会や経済の方向性に沿った事業を行うことで、初めて対象になります。逆に言えば、その目的に合わない「曖昧な投資」や「単なる買い替え」では必ず不採択になります。
私たちDr.補助金では、全国の事業者さまからご相談を受けながら、事業計画書の無料診断を行っています。PDFをメールで送るだけで、採点やコメント付きのフィードバックが受けられます。加点申請などもサポートしていますので、補助金 採択率を上げたい方はぜひ一度ご相談ください。リモート対応も可能です。
補助金は計画的に、そして賢く使うことが大切です。正しく活用すれば、あなたの事業の未来を切り拓く大きな一歩になります。


